Posted on 2020.09.10
かれこれ20年以上通っているイタリア、ミラノ。
毎年2月と9月、バイヤーを引き連れ
メイド・イン・イタリーの優れものを探しに行く。
目的はあまりに明解、半年分のビジネスを左右する真剣勝負(!)
ゆえに結構過酷。
観光名所を訪れることも無く、
土産品を探す間もなく、
ひたすら試履、試着、試算、である。
同じ目的でパリやバルセロナに赴くが、
そんな中でもミラノはひときわ居心地がよろしい。
スタッフの一人が流暢なイタリア語を話す功績が素晴らしく高い。
まぎれもない。
ホテルはセントラルから離れたローカルな場所。
週末には通りに新鮮な食材が並ぶマルカートが現れ長閑に賑わう。
迎えてくれる面々はいつも一緒で、好みの部屋までわかってもらえて、
次のシーズンまで予約が整う有り難さ。
異なるホテルを試したい気持ちに駆られながらも、
顧客として扱われる安心さが毎回同じ宿を選んでしまう。
ビジネストリップはこれでいいのだ、と連れ添うスタッフをなだめ、
自分自身に言い聞かせる。
メイド・イン・イタリーに出会う手法は色々あるように思う。
著名なブランドは大概日本支社がある。
商社を介したり、専属バイヤーと契約したり、
現地に住む日本人にガイドを頼んだり。
我々はなんとも健気に独自に現地を歩きまわる。
発注数に限りがありバラエティが必要。
値頃感も大切なのでいたしかたない難儀(いや、楽しみ)なのである。
店舗が沖縄にあるという特徴も相手にとっては驚き。
世界に誇る海の綺麗さ、独特の文化を自慢気に話し、
沖縄の稀有な歴史と我々の生い立ちを伝え、握手が成り立つ。
アルティジャーノ(職人)が創る美しい靴、美しい服は、
陽気で明るい元気な太陽の下で暮らす沖縄の我々にぴったりなのよ!
ちょっとテーゲー、ラテン顔した私たちの様子に仲間意識が高まる瞬間。
仕事冥利なのである。
平均5泊する旅先で、
取引先とのアポイントと同じくらい重要な決め事がある。
何を食すか! いつどこへ行くか! 半年ごとのマストはまずここ。
http://www.obica.com/restaurants/milan-duomo
ミラノが誇る大聖堂ドゥオーモの横にあるデパートリナシェンテ、
最上階にあるモッツァレラバー・オビカ。
プロシェット、フィッグの横に真っ白く艶々のバッファローモッツァレラがドーン!
すぐそばに迫るドゥオーモを眺めながらランチ、唯一ここで観光気分を味わうのだ。
http://www.casalucia.it/
ホテルから歩いて10分。洒落た内装のご褒美リストランテ・カーサ ルチア。
ファッションウィーク期間はいつも満席。
シャトーブリアンステーキは名物。
アーティチョーク、プンタレッラなど季節の野菜も涙ものの美味しさ。
我々の来店を喜んで、熟成バルサミコと高級オリーブオイルをテーブルにそっと運ぶ
粋なサービスがたまらない。
https://www.molo13.it/
幸せ。
なんとホテルのすぐそばにあるサルデーニャ料理オステリア・アル・モーロ13。
新鮮なウニ、カキ、ホタテ、ハマグリ、スカンピ、マグロ、スズキ、サーモン、
何もかもレモンをギャっと絞って生で食べる。
パリパリのお煎餅のようなパンと、サルデーニャの白ワインをガンガン飲みながら、
止まることはない。
ムール貝の白ワイン蒸しは当然ボーノ(美味しい)!
しかし、だけど、たまらないのはスパゲッティ・ボンゴレ・ボッタルガ。
これはもうモイト・ボーノ(超美味しい)!
2月生まれのバイヤーがいるので、パーティーだ!と
かこつけてドルチェまで大振舞いの大騒ぎ。
大家族でやってくるミラネーゼのテーブルに負けず劣らず楽しい時間を過ごす。
少々飲みすぎても30歩くらいでホテルに着いちゃうので、これまた幸せ・・・・・。
ロージャースが謳うライフスタイル「旅するように生きる」。
知らないことを知る喜び、感じることができる幸せ、理解する知恵。
とらわれない自由、ゆるがないしなやかさ。
今月の本誌、ディスティネーションはイタリア。
ロ・スティヴァレ長靴状の美しい国から届く愛に旅するように気持ち広げ、
旅するように毎日を愉しむ。
ロージャースフードマーケット誕生を機に
新しい美味しさに出会う試飲、試食もミッションになりそう。
ソノ・フェリーチェ!