Posted on 2021.05.27
地域の活性化、中小企業の成長、
それが日本の未来を拓く鍵だと数年前から耳にする。
様々な助成制度が生まれ、地方の商店街に対するリノベーションや
観光創出に向けた事業を刺激する。
街づくりの専門家、人づくりのコーチング、感性づくりのクリエイターなど
豊富な経験と知恵を備えた優秀なプレイヤーが中央から地方に派遣され、
地域の小さな企業に寄り添って帆走し、事業の成就を促進する。
なんともありがたい。
一方で島国沖縄の豊かな魅力に惹かれた大企業、有名店舗、
ブランドが次々と進出、
地域の色をもっともっと!は
意外にどこかの街の成功事例のコピー&ペーストだったり
地元企業優先なんて言葉も実は色褪せていっているような、
沖縄が目指した本土並みとはそういうことだったのかと理解を促しつつ、
多少の目眩は否めない。
それでもダントツに輝く街が沖縄にはある。
米軍基地返還後の再開発で一番の成功例と言えるアメリカンヴィレッジ。
知る限り、そこには寝ても覚めても街の事を考えるカリスマがいる。
アーティスト、ミュージシャン、稀有な才能を持つプロデューサー。
彼らがコザからチャタンへと活動の拠点を移して
そろそろ四半世紀になろうか。
東シナ海に広がる美しい夕陽、
アメリカ西海岸を思わせる贅沢なウォーターフロント、
玩具箱をひっくり返したように賑やかな街並みに、
若者やよそ者やもしかしたらばか者がこぞって商い。
ついこないだまでインバウンド観光客に溢れ、
我々にとって遠い街になった感があったけど
広がる芝生の公園の横にびっくり仰天の
カッコいいコーヒーローステリーなどが出現して、
まるでマイアミのような華やかさ、
なんと言おうか、街が大きく鼓動している。
そしてさらに北側へ行く。まるでクルーズ船のようなホテルを過ぎて行くと、
屋根に立った大きなブルワリーのサインがグッと大人びて
お洒落して集うアメリカ人の姿に、また異なる鼓動が伝わってくる。
そんなエキサイティングな、
非日常な、
キラキラの街に新しいホテルが誕生する。
ありがたくも、お部屋の小物やアート、
照明やサインなどのお手伝いに関わることができた。
北部西海岸のリゾートホテルとは少し違う滞在ができるかもしれない。
マリーナ・ベイと呼ぼう。
どんなふうに過ごそうか、と考えるのもきっと楽しい。
そしてどうしても伝えたいのがそこにあるアート。
新鋭のアートがあるホテル、とかではない。
これは宿泊する人が感じる特権、おしゃべりはここまでにしておこう。
実家から車で5分。
毎日のように眺めていた景色の中に次々生まれる息吹。
レストランでお酒を飲むこともできない今の不自由さと裏腹に
止まることのない人々の願望が一つ一つ新しい光を灯す。
潮の満ち引きのようだ。
それはきっと何事にも終わりがあり
どんな時でも命が生まれてくることを知っている
人間のしたたかさかもしれない。
学ぶことを忘れずに、マリーナ・ベイの一室で迎える朝を夢みよう。