Posted on 2022.12.30
民子さんが嬉しそうで良かった。
何よりもそれが一番だった。
沖縄は随分変わったみたいだけど
何にも変わらないなあ、なあ。
慌ただしい世がわりに沖縄は随分翻弄された。
でも強いよ、ここは。
熱き友情で結ばれた二人のアーティストの共演は
この世とあの世の隔たりをひょんと超えたと同時に
違う立場にいるあれこれをまんまるな玉にしてくれた。
ひと昔前にロージャースで買ったドレスなの。
マイクを持った彼女の喜びが会場いっぱいに溢れている。
なのに、なぜか客席の人たちの目は潤んでいた。
I will be here in sunshine or in shadow
私は太陽の光か影のどちらかでここにいます。
O Danny boy, O Danny boy, I love you so……
オー、ダニーボーイ、アイラブユー。
喝采の拍手の中、
祈るように歌ってくれた「明日にかける橋」。
どこまでもポジティブな彼女の声に
天界から降り立った亡き母の姿が私の横にあった。
あれからずっとまろやかなビブラートに包まれている。
鉛筆持ってクレヨン持って
夢中でお絵描きする子供たち。
「旅のネコと神社のクスノキ」
絵本刊行イベント、巨匠・黒田征太郎さんとのワークショップ。
羨ましいほどのびのびキラキラ。
作家の池澤夏樹さんと二人のトークは平和への願いそのもの。
コントラバス松永誠剛さんの演奏が
二人の言葉とそこにいる人々の心を昇華させた。
絵本を持ち帰った人たちはお家のどこに置いているのだろうか。
本棚にしまうのではなく玄関の靴箱の上とか
ピアノの譜面台とか、絵のように額縁に入れて壁に飾るとか。
毎日絵本に向かって二礼二拍手一礼。
平和を、健康を願い、お家で毎日二礼二拍手一礼。
息弾むメールが届いた。
モーツァルト ロンド長調485から軽快に始まり
まるでヨーロッパの田園にいるようです。
歌詞のない音楽は、その旋律だけで世界旅行ができるのです。
ヨーロッパからアジアへ。
群衆の熱気、水のせせらぎ、鳥の声、馬の疾走、
人々の歓び、怒り、悲しみ・・・
アンコールはショパンのノクターン。からの連打で英雄ボロネーズ。
はー!興奮がおさまらない。お誘いいただいて本当にありがとうございました、と。
ピアノは指のみで弾いているのではない、全身が楽器と一体になる奇跡。
目には感動の涙。
来年もまた!ぜひ!と多くの声がこだました。
2023年2月、ミラノ・スカラ座バレエ「Remanso」全7公演ソロ演奏に
吉川隆弘さんの出演が決定している。
優れた人たちとの貴重なる遭遇。
最幸のモメント。
2023年、始動開始。