Posted on 2022.11.26
想像を膨らませ旅をする。
地図を眺め緯度を知り、気候や土地の特徴、衣食住、アート、マインド、ライフスタイルなど、未知の国の歴史や個性を机上で知り、実際に現地を知る人に話を聞き気持ちを高める。
世界は広いのに、色々な国の様々な文化をたくましく享受する日本のしなやかさに時折驚いたりもする。
2022年フィナーレ、本誌の旅先は、フィンランドから欧州の極北ラップランドへ。
オーロラ、サンタクロース、白夜、極夜、美しい北極圏の風景。
世界で最も空気が綺麗、森の恵みを採集して楽しむ伝統、屋外での水泳やサウナへのこだわり。
亜熱帯に住む私たちにとっては想像を絶する寒さだろうから、ある種、空想的な夢の国のように映る場所。
にもかかわらず、フィンランドは国連の『世界幸福度報告2022年版』に
世界で最も幸せな国として選ばれている。しかも5年連続。
報告書の執筆者たちはこの理由を
「フィンランドは、パンデミックという困難な状況下での社会的なサポートについて常に高い評価を得ている。そうした環境が、この1年間においても、集団的な穏やかさが生み出される上で重要な役割を果たしたのだろう」
と述べている。
教育、医療、福祉のあり方が人々の幸福度に大きな影響を与えるとよく聞くが、フィンランドは18歳まで義務教育を引き上げ大学院まで授業料無用。
ほぼ全ての国民が英語堪能、自国語の他に2、3ヶ国語を操るらしい。
医療、福祉の社会保障制度も手厚く、よって税率は世界的にみてもとても高く消費税24%!
驚きの数字にもかかわらず国民の8割が満足し、精神の安定も守られているとか。
なんだか興味津々でググる時間が止まらない。
・幸せの入り口は「信頼」。
・現在より5年後の人生の方がずっと良いと信じている。
・政府には頼らず自分の力で立ち直る。
・肩の力が抜けた姿勢は切羽詰まった起業家とは一線を画す。
・フィンランド人は自虐的ユーモアの達人。
・アイススイミング(狂気的!)
・ネガティブなものは、サウナで汗と一緒に流そう(これは同感!)
もしや、幸福度というものは幸福を感じる力ではあるまいか、
そんなことを思いつつ、素晴らしい言葉に出会いました。たまらなく感動。
SISU(シス) *SISUという単語の意味を直接表せる単語が他の言語にはないらしい。
フィンランド人の魂、フィンランド人の精神力、内面、中身を表現する。
勇敢で、粘り強く、忍耐強く、諦めない姿勢と態度。
それは厳寒な国フィンランドだからこそ生まれてきた言葉かもしれません。
このような厳しい環境だからこそ生まれてきた「生き方」を表す言葉。
フィンランド人の大自然に対する愛であったり、
有名な教育システムであったり、
厳しい冬での生活であったり、
日常生活の中にある大きい困難や小さい問題への対処であったり。
SISUとは、つかの間の勇敢さではなく、勇敢であり続ける能力のこと。
犠牲があってもやるべきことをやる。
困難を凌ぎ、最後までやり抜く
誠実さや高潔さの尺度であり哲学を表している。
トランジットで過ごしたヘルシンキの空港を思い出した。
イミグレーションで化粧水のボトルが大き過ぎるから廃棄になると指摘された。
困った顔の私をみて
ここで預かって置くから
小分けするボトルを2本探しておいで。
うつむきかげんで微笑みを浮かべ手招きしてくれたイケメンさん。
適当なボトルをやっと見つけて戻ったら
そこにいたスタッフ全員がグーサインを出してくれた。
旅のスタートが、喜びと感謝と幸せな気分で始まった。
来年はきっとフィンランドその地へ。