Posted on 2020.12.26
SNA084便。 09:05 沖縄那覇発 10:20 鹿児島着。
隣県。たった一時間半のフライト。最高気温六度、最低気温マイナス三度!
およそ四十数年ぶりに眺めた桜島。
空港で目に入った山形屋さんの看板。かつて沖縄にもあったなあ。
お迎えの車に乗り込み、向かうは初めての霧島。
濃い緑の平野、お茶畑。
地上から6、7メートル高い位置でぐるぐる回る扇風機、霜を防ぐためらしい。
なんとお茶の生産量、鹿児島は生産地日本一の静岡に迫る勢いという。
山間に聳え立つ杉並木。赤オレンジに輝く紅葉。
日本家屋。景色が違う。
気持ちがしゃんとする。
運良きお仕事。
2017年に発足された霧島ガストロノミー推進協議会との出会い。
01.地域性
暮らしの源である霧島山に深い敬意を込め、自然の恵みを共有しよう
02.神事・風習と食文化
天孫降臨の地である霧島の食のルーツを体験しよう
03.職人気質
先人たちが連綿と築いてきた食の知恵と技、想いを未来に残そう
04.地産地消
霧島が育む食材を学び、使い、みんなで楽しく食べよう
05.伝統と革新
受け継がれてきた霧島の食文化をいかし、新たな霧島の食に発展させよう
06.健康志向
霧島の食材で健康や美に繋がるような食べ方をひろめよう
07.環境型
霧島の食を育む山、川、里、海を大切にし、命の循環を守りつづけよう
08.創造性
ワクワクする新しい食の創造にチャレンジできる霧島をつくろう
09.もてなしの心
霧島人(びと)として、思いやりと真心で、
霧島でしか味わえない食の記憶を贈ろう
10.褒め合う食文化
霧島の多様な食文化を互いに認め「褒め合う食文化」を築こう
きりしま食の道10ヶ条、見事ではありませんか。
一つ一つの言葉を丁寧に議論しながら
10個の条文として紡いだものといいます。
恐れ多くも、地域ブランド認定制度の審査員として席に座ったわたし。
応募16事業者のプレゼンテーションを受けるつどに、
10ヶ条の意義が身に染みてくる。
産品の話を聞きながら、川、山、里、海の景色が確かに浮かんでくる。
他地域から移住してきてチャレンジする若者も、
すでに霧島人としての誇りを纏い始めている。
土地の力がもたらす、美しいたたずまい。なんとも貴重でありがたい経験。
霧島は、日本で初めて国立公園として指定された悠久の大自然が残り、
霧島山を舞台とする天孫降臨伝説が伝わる神話の里。
霧島市人口12万9千人の街に、
国内外から750万人(平成28年)の観光客が訪れるという。
なんの知識も持たず出かけてしまったわたしを、霧島人は神の里へ誘う。
雲ひとつない青空。空気はどこまでも凛として樹体トンネルを走る。
二人の男性の大きな背中を追いながら、
敷かれた石の音を耳に刻み上へ、上へ。
高千穂峰、ふたつの山の山頂を臨む、霧島神宮古宮址に立つ。
天からの特別なパワーが満ち満ちあふれ、神聖な空気が頭頂から全身に廻る。
帰路につく前に「嘉例川駅」に立ち寄った。
無人駅の建物の隅々に、人々の愛着が満ち溢れている。
すでに新年を迎える準備が整い、背の高い門松が誇らしげに我らを迎えた。
手を合わせずにはいられない。
どこまでも神の里。
嘉例。