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la souvenir

Posted on 2021.02.04

免疫

少し具合が悪いわたしに、沖縄にずっと居るからじゃない?と連れ合いが何気ない顔でひと言。
知らぬ間にどんよりとした氣を体の中に溜め込んでいたのか。
不確かさという霧に阻まれて未来を見通すことができないという情報の多さに
世を騒がすウィルスとは別物の、他力本願な魔物がカラダをギクシャクさせているのか。
確かに。居場所を離れて出かけるときの意気揚々なエネルギーが消失している。
身を斬る思いで、切迫した環境下で頑張る人たちが多くいるというのに、
いたしかたありませんね、と過ごす時間は嘘みたいに早く、且つなんとも申し訳ない。
せっかく与えてもらっている時間を、振り返ったら必ず過去になる今を、
やさしさいっぱい、愛情いっぱい、好奇心いっぱいで満たした方が絶対いい。
正気に戻るべし!
すると間も無く、制作チームの輩から目の覚める提案が届いた。
2月といえばバレンタイン、バレンタインといえばチョコレート、チョコレートといえばカカオ。
(ふむふむ、なるほど。チョコレート大好き、いいね、いいね、カカオ特集ね・・・・)
カカオといえば今注目のマダガスカル、よって今月の旅先はマダガスカル、
マダガスカルといえば大自然、大自然といえばカメレオンです!ときた。
ワクチンか、自然免疫か、
折角正気に戻ろうとするわたしをさておき、遥か遠くの未知の国に飛びましょう、
冷たい風を吹き飛ばし、旅するように生きるのだ!と楽しそうに微笑む輩たち。
どれどれ、私もマジカル・マダガスカルを旅しよう。

アフリカの西海岸、インド洋に浮かぶ『第七の大陸』とも呼ばれる
世界で4番目に大きい神秘の島。
日本の1.6倍、3つの世界遺産、18の国立公園、34の特別保護区によって保存された
豊な自然や動植物の宝庫。
最初の住人は東南アジア島嶼から渡ってきたという驚き。
主食はお米。日本人の2.4倍を消費し水田風景は日本やアジアのそれとよく似ているという。
1986年フランスの植民地に。街にはフランス統治の歴史漂うコロニアル建築。
聞こえてくる公用語の仏語。フレンチレストランに街を駆け抜けるシトロエンタクシー。
世界に誇る島の恵、クローブやバニラ、マダガスカルローズ、イランイラン、
マダガスカルジャスミンなどがフランスに運ばれ、世界最高品質のエッセンシャルオイルや香水、
スイーツとなって人々の心を奪う。

マダガスカルカカオは、生産量は少ないながらも近年、欧州の権威あるコンクールで
数々のプレミアムを獲得し、世界中のショコラティエ、パティシェがラブコールを送る。
フルーティーな酸味と香りが特徴。
同じ品種のカカオでもワインのように土や気候で全く異なり、
豆の品種によりその味わいが愉しめるという。
インド洋の「グルニエ(Grunier=屋根裏部屋)」
これはインド洋5カ国・地域で構成するインド洋委員会が2016年に採択した
地域食料安全保障プログラムの中でマダガスカルに与えた一種のキャッチフレーズという。
マダガスカルの農業ポテンシャルに着目し、同国の農産物供給力を強化拡大することで
インド洋諸国全体の食糧安全事情を改善する可能性を称したものらしい。
つまり「屋根裏部屋」とは「食料を貯蔵しておく部屋、食料貯蔵庫」という意味を秘めているとか。

写真で見るバオバオの並木道。この世のものとは思えない神秘の絶景。
サン=テグジュペリの「星の王子様」で描かれたのは創造力を掻き立てるバオバブ。
七変化するカメレオン、手をあげて踊るキツネザル。
きっとわたしたちの想像を絶するほどの壮大なナチュラルが溢れているに違いない。

世界から集まってきた色とりどりのチョコレート。
包みを開け、静かに口に頬張る。
いつもよりずっと幸せで、ロマンティックになるに違いない。


写真: FRANS LANTING著 『INTO AFRICA』 ¥8,040(税別)