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la souvenir

Posted on 2022.10.29

ミュージックタウン

今月の本誌、旅先はアメリカ・ルイジアナ州ニューオーリンズ。
まだ行ったことがない。
にもかかわらず郷愁誘うその響き。
なんだかコザみたい。
誌面を創るために
ニューオーリンズの文化や歴史、特徴を調べる若いスタッフがそう呟いた。
タイムスリップが始まる。
まるで最近上映されたコザの映画の如く。
     
ミュージックタウン構想に向けて蠢いていた。
街の中核にいた個性溢れる人たちと理由を作っては集まり語り合う。
市役所の人、観光協会の人、泡盛の人、看板の人、
ピースフルロックの人、ヒゲの人、ジージャンの人、
よく飲む議員さん、時たま国会議員、それらを束ねるお店のオーナー。
パークアベニューで集合し、一番街を通り抜け
ゲート通りのライブハウスで飲んでは踊り
ジャンバラヤで朝を迎えること時折。
お店のオーナーが唄者だったり、
ブルースマンだったりするから
街そのものにリズムがあり
通りそれぞれにいろんなジャンルの音階があった。
貧したコザの起死回生に音楽は欠かせない。
目指すは音楽のメッカ・ニューオーリンズ!
現地を見てきた人の眼に明らかな目標が刻まれ
彼らのアジテートに誰もが呼応し、
街の一丁目一番地にシンボルとなる夢の箱が誕生した。
2007年7月のことだった。

     
あれから15年の歳月が流れたようだ。
なんだか街から遠退いてしまった自分がいる。
良くないことだ。
リズムや音階が箱の中におさまって
誘惑の波動が伝わってこなかったのかしら、と少しだけ言い訳。
きっとわたしの知らないところで
次なるエネルギーが蠢いているに違いない。
キーボードを叩いた。
ミュージックタウンのミッションと背景が記載されている。


 

 彩り豊かなコザの芸能と文化。
 最大のミッションは新たな才能の育成。
 その先に描くのは、
 世界に誇れる音楽のまち。

 コザ(沖縄市)は、芸能における沖縄の首都と言っても過言ではありません。
 沖縄に三線が伝わった大交易時代(14世紀末〜16世紀)から
 21世紀の現在に至るまでコザでは異なる文化・芸能を自由闊達に取り入れた
 彩り豊かな「チャンプルー文化」の花が咲き誇っています。


アジテートする担い手は時代とともに変化して当然。
文化はいつも背景と共に育ち、
時たま大きな才能が爆発し、時代を活気づける。
ライカムアンソロポロジーの壁にある古い写真を見ながら
ニューオーリンズを歩く自分を重ねる。
楽しくてスキップが止まらない。